George/青葉台

George / Aobadai

Restaurant / Café

Yokohama, Kanagawa/2016.6

AWARD

German Design Award 2018

A’ Design Award 2017

OVERVIEW

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    • Georgeは横浜・青葉台駅から徒歩2分に位置するホテルの1階に新設されたレストランだ。ターゲットレンジは、近隣にお住まいのヤングファミリーからアクティブシニアまで、また、ホテルの宿泊客にも朝食を提供するため、かなり広く設定されている。
      この場所性や与条件から、普通だったら万人受けするところを目指しがちだが、僕らがデザインするにあたって拠り所としたのは「属人的個性」という観点だ。
      簡単に言えば、オーナーの好きなモノやデザインだけで創り上げるという意味だが、それにはちゃんとした理由がある。
      SNSやブログなどを利用して発信される個人の魅力から、自分好みの価値を見出すことに長けた昨今のお客様層に対し、凡庸性が前面に出ているより、オーナーの好みや趣味の良さという個性を感じさせた方が、結果的に多くのお客様に気に入られ、多様なシーンにも適応できるレストランを創出できると感じたからだ。
      具体的には、オーナーがニューヨークに住んでいたことや、手元まで見せることができるシェフの腕前をデザインソースにまとめあげている。古い建築物を現代的にリユースしたトレンドスポットや、高級感と敷居を高く感じさせない抜け感が共存したホテルなど、ニューヨークで見て取れる好例を引用し、カジュアルモダンの枠に納めた。その場で展開されるハイクオリティな料理が街へ開かれたものとするため、オープンキッチンを採用したり、構造上可能な限り大きいフォールディングドアを新設したのも、属人的な発想に起因する。
      このレストランGeorgeのデザインを気に入ってくれた人は、オーナーやシェフなど、その「人」もまた魅力的だと感じてくれたのでは、と思う。

      (井上愛之/ドイルコレクション)