タリーズコーヒー/セブンパークアリオ柏

Tully's Coffee SEVEN PARK ARIO Kashiwa

Café

Kashiwa-shi, Chiba/2016.4

OVERVIEW

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    • 今回のタリーズコーヒーは施設全体のコンセプトに合わせること、すなわちこのお店の区画が位置する、落ち着いたエレガントなエリアの玄関口というキー テナントとして相応しい空間創出が求められた。
      一方、この区画は4方向すべてが「空いている区画」というのが最大の特徴。区画の境界に一つも壁がないという珍しい区画だ。そのため、どこにメインの エントランスを設けるかは、施設全体におけるお客様動線を読んで決めることになるが、それ以上に「お店の裏側」をつくれないという難しさがあった。サービスカウンターやキッチンを設ければ、自ずと「裏側」ができてしまう。それを如何に裏側と感じさせないかと考案したのが、必要な機能を中央に集約したコアとして、かつ区画に対して45度回転させて配置するという案だ。こうすることでファサードの2面からカウンターが見え、エントランスのように感じさせることができ、またカウンターが見えないファサードからは「次の間」を予想 させる見え方になるため、裏という感覚は感じさせない。
      この45度、もう一つの効果があると感じている。それは正面にカウンターがあると、もちろんそのつもりで入店してはいるが逃げ場がないというか、圧迫感すら感じることがある。それが敢えて正面で受けないこのスタイルが気持ちにゆとりを与えてくれるようなクッション材としての役割も担ってくれている。
      カラースキームは落ち着いたダークブラウンを基調としているが、ところどころにアクセントカラーや目を引く照明器具をデザインし、優雅さに繋がる印 象を目指した。45度という角度によって生まれた一見使いづらいスペースも、今まで想像しなかった使い勝手のハイテーブルやソファのレイアウトなどを発想させてくれて、意欲的に取り組むことができた。

      (井上愛之/ドイルコレクション)